妊娠が始まると、お母さんの体は赤ちゃんの成長を支えるためにたくさんの変化をします。その中でも、特に赤ちゃんの脳や神経の発達に欠かせないのが「甲状腺ホルモン」です。妊娠初期(特に12週ごろまで)は、赤ちゃん自身ではこのホルモンを作ることができないため、お母さんの体から供給されるホルモンに頼っています。
このため、妊娠初期に「TSH(甲状腺刺激ホルモン)」「fT3(遊離トリヨードサイロニン)」「fT4(遊離サイロキシン)」を調べることがとても大切になります。これらを調べることで、甲状腺の働きに異常がないかを早い段階で確認することができます。もし機能が低下していたり過剰であったりすると、流産や早産、胎児の発育遅れ、妊娠高血圧症候群などのリスクが高くなることが分かっています。
また、妊娠中はホルモンバランスの変化によりTSHの値が通常と異なることがあるため、fT3・fT4もあわせて調べることで、より正確に体の状態を把握できます。豊洲レディースクリニックでは、こうした重要なホルモンを妊娠初期にしっかり確認し、お母さんと赤ちゃんの健康をサポートしています。
参考文献:
- Luo, C. (2013). Importance of screening for thyroid function during pregnancy. China Health Industry.
- Shubair, M. (2016). Assessment of thyroid function during the first trimester.
- Amara, M. et al. (2021). Thyroid function during the three trimesters of pregnancy. Journal of the Endocrine Society.
作成日:2025/04/14