妊娠中の食事は、赤ちゃんの成長を支えるだけでなく、お母さん自身の体調管理にもとても大切です。その中でも、特に注意してほしいのが「生もの」と「アルコール」です。普段は問題ない食品でも、妊娠中には思わぬリスクを伴うことがあります。
まず、お酒は妊娠中は完全に控えるようにしましょう。少量でも、赤ちゃんの脳や身体の発達に悪影響を及ぼす「胎児性アルコール症候群」を引き起こす可能性があるからです。安全な飲酒量はないとされており、医療的にも「妊娠中は一滴も飲まない」が推奨されています。
次に、生ハムやナチュラルチーズ(特に加熱されていないもの)、生卵、刺身などの「生もの」には、リステリア菌やサルモネラ菌、トキソプラズマなどの感染リスクがあります。これらの菌に感染すると、流産や早産、胎児への影響が出る可能性があります。特にリステリア菌は、妊娠中は通常よりも感染しやすくなるため、非加熱のチーズや輸入品の生ハムには注意が必要です。
ただし、野菜はしっかりと洗えば問題ありませんし、栄養も豊富です。また、チーズも加熱処理された「プロセスチーズ」なら安心して食べられます。
「すべてを避ける」ではなく、「正しく知って選ぶ」ことが大切です。毎日の食事を楽しみながら、安全な選択をしていきましょう。参考文献:
- Centers for Disease Control and Prevention. (2023). About Listeria Infection 日本産婦人科医会. (n.d.). 妊娠中の飲酒について
作成日:2025/04/14